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上野トランステック株式会社
環境への取り組み
海のゼロエミッションを目指して
国際海事機関(IMO)は、船舶からのGHG(※注1)排出量を段階的に削減し、今世紀中のできるだけ早期にGHG排出をゼロにする目標を掲げています。
※注1:GHGは温室効果ガス(Greenhouse Gas)の略称
IMOによるGHG削減戦略
Project01
LNGはゼロエミッションへの
ファーストステップ
LNGバンカー船「エコバンカー東京ベイ」
LNG(液化天然ガス:Liquefied Natural Gas)は、完全なゼロエミッション燃料ではありませんが、石炭や石油に比べて燃焼時のCO2(二酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)の排出が少なく、SOx(硫黄酸化物)とばいじんが発生しない、環境負荷の低い燃料としてすでに実用化されています。
ゼロエミッション燃料が普及するまでの間、船舶においてもLNGを主燃料とする動きが高まっています。

上野トランステックは「エコバンカーシッピング株式会社(※注2)」に共同出資するとともに、同社初のLNGバンカー船(※注3)「エコバンカー東京ベイ」の船舶管理を担っています。

※注2:エコバンカーシッピング株式会社は、住友商事株式会社、横浜川崎国際港湾株式会社、株式会社日本政策投資銀行、上野トランステックの4社で運営する合弁会社。東京湾におけるship to ship方式によるLNG燃料供給事業を展開
※注3:LNGバンカー船(LNGバンカリング船)は、LNG燃料船へLNG燃料を供給する船舶
石炭を100とした場合の排出量比較
Project02
ゼロエミ燃料の供給へ‐アンモニア関連事業への参画‐
舶用アンモニア燃料の開発でゼロエミッションの実現へ
燃焼中にGHGを排出しないアンモニアは、ゼロエミッションの実現に向けた船舶燃料として期待されています。上野トランステックは、IMOの脱炭素目標に向け、エネルギー・鉱山・電力・化学・ターミナル・海運・造船・製造・舶用燃料供給・船級協会など業界の枠を超えた、次世代舶用燃料として期待されるアンモニアの共通課題に関する協議会(国際コンソーシアム)に参画しています。
さらに当社は、日本国内における舶用アンモニア燃料の供給(バンカリング船)および供給拠点の整備を目指す取り組みとして、伊藤忠商事株式会社、伊藤忠エネクス株式会社、宇部興産株式会社とともに共同開発を進めています。

※詳細については、プレスリリースをご覧ください。
舶用アンモニア燃料に関する協議会
日本国内における舶用アンモニア燃料の供給及び拠点整備を目指す共同開発

また、舶用燃料のアンモニア関連のみでなく、火力発電所等における燃料としてのアンモニア(混焼等)の研究開発から社会実装に向けた取り組みを検討し、CO2フリーアンモニアの供給から利用までのバリューチェーン構築を目指し、技術開発・評価、経済性評価、政策提言、国際連携等を実施する、「一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会(CFAA)」にも参画しています。
Project03
水素燃料の利用
世界に先駆けて水素によるゼロエミッション船の開発に参画
 水素はアンモニアと同様、ゼロエミッションの実現に向けた船舶燃料として期待されています。
 上野トランステックは、公益財団法人日本財団の「ゼロエミッション船の実証実験にかかる技術開発助成プログラム」において、水素燃料実証という目標に向け、2026年(予定)の実証実験航行に対応する電気推進船を建造します(竣工予定:2025年)。
  全長100メートル超、5,000KL型の新造船は、従来船をベースにしつつも新たな船型を開発し、水素燃料対応の国内内航タンカー最大サイズ船型のプロトタイプモデルとして建造します。
※詳細については、プレスリリースをご覧ください。
水素燃料エンジンによる、実証実験航行対応の電気推進船を建造 世界に先駆けて水素によるゼロエミッション船の開発に参画
Project04
カーボンニュートラル実現
のためのGHG貯留
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素回収・貯留技術)
アンモニアや水素は、燃焼過程ではGHGを排出しないものの、製造過程で二酸化炭素を発生する場合があります。GHGの排出を削減するための手段を最大限に推進しながらも、それでもなお排出されるGHGは存在します。排出されるGHGを大気に放出させずに回収し、貯留させることで、カーボンニュートラルを実現しようとする「CCS」という技術があります。

上野トランステックは、環境省公募による「環境配慮型CCS実証事業」における委託業務として、分離・回収されたGHGを海域貯蔵サイトまで海上輸送し、海上で海底下の貯留槽へ圧入するシステムの実証に向け、造船会社と共同で研究開発を行っており、世界で初めて「液化CO2輸送船(圧入船Ready)(※注4)」の概念設計基本承認(AiP)を取得しました。

※注4:液化CO2輸送船(圧入船Ready)とは、環境配慮型CCS実証事業における将来的にCO2圧入設備を搭載できるように船体計画されたCO2輸送船の呼称
CCSの流れ